Episode 03
- 長谷川
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こんにちは!
「明治おいしい牛乳のおいしさを最大限に引き出す専用グラス」の開発を任された、株式会社 明治の長谷川です!最近、こうして自己紹介でお伝えすることに快感を覚えてきました(笑)前回、世界一牛乳好きなデザイナーであるミルクマイスター®︎高砂さんとの打ち合わせで目指すべきグラス像とコンセプトが決定。今回は、図面が完成したとの知らせを受け、再度事務所にお邪魔してきました!
試行錯誤の末!!グラスの図面が完成
- 長谷川
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高砂さん! グラスの図面が完成したって本当ですか!?
- 高砂
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長谷川さん、事務所のドアが壊れるんじゃないか、って勢いで入ってきましたね。
- 長谷川
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いや〜、いてもたってもいられなかったもので!
- 高砂
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ふふ、気合いが入ってますね! これが図面です。
- 長谷川
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おお、それぞれに個性を感じる3タイプ!
それにしてもすごいグラスの数ですね……!
- 高砂
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これも明治おいしい牛乳への愛ゆえです。
- 長谷川
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愛が溢れてますね……!試行錯誤、ありがとうございます!!
- 高砂
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先日もお話ししましたが、明治おいしい牛乳のおいしさの特徴は、何といってもナチュラルテイスト製法ですよね。
- 長谷川
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はい。おさらいしますと、ナチュラルテイスト製法によって
もたらされる風味の特徴は- 自然でさわやかな香り
- ほのかな甘み
- まろやかなコクはそのままにすっきりとした後味
です。
- 高砂
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そうですよね!それを踏まえ、グラスによって明治おいしい牛乳の良さを
より引き出せそうな要素を考えてみました。- 後味の良さ
- のど越し(飲み心地)
- さわやかな香り
- 口当たり(舌触り)
の4つです。
- 長谷川
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さすがミルクマイスター®︎。素晴らしい考察です。
で、4つの要素を最大限感じられるよう……、
- 高砂
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はい。グラスの厚みや形状など、様々な特徴を掛け合わせることで4つの要素を底上げし、さらにはタイプによってそれぞれ特徴を持った形状にしました。
- 長谷川
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なるほど。4つの要素を引き出す、すべてのベースを高めた上で特徴を……。気が遠くなるような作業だったでしょう!
- 高砂
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いやいや、明治おいしい牛乳の歩んできた20年を思えば、
愛おしい時間でしたよ。では、順に説明していきましょう。
- 長谷川
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楽しみです・・・・・!
- 高砂
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はい。
タイプAは「飲みやすさと持ちやすさを両立させたストレートタイプ」。高さのある細口のストレートグラスにすることで、飲みやすくさらにタップからボトムにかけてゆるやかなカーブにすることで、持ちやすさも両立させています。
- 長谷川
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タップ…? ボトム..?
- 高砂
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おっと、横文字が過ぎました。タップとは「飲み口」で、ボトムとは「グラスの底の部分」のことです。
- 長谷川
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なるほど……!毎日飲みたくなるものは、やはり持ちたくなるものがいいですもんね!高砂さんのご説明だけで、早くも明治おいしい牛乳を飲みたい気分になってきました!
- 高砂
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続いてタイプ Bは、「最大限に香りを引き出す口広グラス」です。
香りが広がる口広グラスは、一気に口へ流し込むことができるので、香りだけでなく、爽快な飲み心地も楽しんでもらえるはずです。
- 長谷川
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自然な香りを、そのままぎゅ〜〜(牛)っと楽しめるんですね!
- 高砂
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長谷川さんのコミカルな想像力にはいつも驚かされてばかりですよ(笑)。
そして最後、タイプCは
「口当たりの良さをより感じさせるラウンドグラス」です。
口に入れたときの牛乳の口当たり、つまり舌触りの向上を狙っています。
全体的に丸みがあるため、口に運びやすくなっています。
- 長谷川
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ゴクッゴクッと牛乳を飲む、あの幸せな瞬間が思い浮かびます!
- 高砂
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そうですよね!まとめますと、4つの要素のすべてのベースを高めた上で、
タイプA「飲みやすさと持ちやすさを両立させたストレートタイプ」
タイプB「最大限に香りを引き出す口広グラス」
タイプC「口当たりの良さをより感じさせるラウンドグラス」
の3タイプをご用意しました。さまざまな切り口から、明治おいしい牛乳の魅力をより一層引き出すことができそうと考え、複数のタイプで検証したいと思っています。その中で、最も魅力が引き出されているものを1点選びたいと。
- 長谷川
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市販のグラスでの検証を元にそこまで ……。さすがとしか言いようが
ありません!!ちなみに、どの案も口の部分が少し丸くなっていますね。
- 高砂
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はい。これは牛乳瓶の飲み口から着想を得たデザインで、口当たりをまろやかに、牛乳を飲むグラスらしさを増したいという狙いからですね。
- 長谷川
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前回話していた「じっくり飲むのではなく、日々の何気ない一杯の体験を支え、『おいしい!』と思わず声が出るようなもの」を、というコンセプトですね!
製品化に向けて、次のステップはどうしましょう?
- 高砂
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今回も、製作は江戸川区にある田島硝子さんにお願いしようと思っています。以前、私が製作したミルクの道「ミ道」の器「ミ器」を担当していただいたところです。
- 長谷川
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あの、江戸時代から受け継がれる「江戸硝子」を今に受け継ぐ、歴史あるガラス工房さんですね!
- 高砂
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そうです。 MADE IN JAPANの最高品質を誇るグラスです。
- 長谷川
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なんと頼もしい!では、上司の櫻井にさっそく確認を取りますね!データを送信して……と。あ、すごい速さで返信です!「やってみろ!!!!!」と。「!」が5つもついています(笑)
- 高砂
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それは嬉しい(笑)
それではこの図面を持って、田島硝子さんに相談に行きましょう!
グラスの図面を手に、日本屈指のガラス工房へ
- 長谷川
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田島硝子さんにつきましたね!ものづくりの情熱を感じる外観がカッコいいですね。HPを拝見しましたが「この国の、息吹であり続ける」って
コピーまでカッコいいですよね……。
- 高砂
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はい。今日はその息吹を肌で感じてもらえるはずです!
あちらにいらっしゃるのが代表の田嶌さんです。
- 田嶌
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こんにちは。田島硝子株式会社代表取締役の田嶌大輔です。
- 長谷川
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はじめまして。株式会社 明治の長谷川です。
この度は、グラスの製作にご協力をいただきまして、ありがとうございます!
- 田嶌
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高砂さんとは以前、牛乳専用グラスのミ器を作らせていただきましたが、
次は明治さんと、しかも「明治おいしい牛乳 専用グラス」と聞いて嬉しい驚きでした。
うちは1956年に創業し、江戸時代から続く伝統工芸「江戸硝子」を継いでいる工房で、型吹きガラスという方法でガラス製品をつくっています。
- 長谷川
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はい!伝統ある田島硝子さんとご縁をいただけたこと、大変光栄に思います!
今回、初めてこうした工房にお邪魔させていただいたのですが、たくさんの職人さんたちが働かれているのですね…!
- 田嶌
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そうなんです。うちでは職人たちの手で一つひとつ丁寧につくっているので、他にはない奥深い味わいと、ぬくもりがあるのが特徴です。 きっと明治おいしい牛乳とも相性が良いと思いますよ。
図面ができたと聞いたのですが、早速見せていただいて良いですか?
- 長谷川
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高砂さん、お願いします!
- 高砂
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はい。
ミ器の時はひとくちひとくちをじっくりと味わう「茶器」のイメージでしたが、今回は、日常のさまざまなシーンに寄り添ったデイリーユースの
イメージで3案考えてまして…
- 長谷川
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「 日々の一杯を、もっともっとおいしく楽しい、幸せな体験に」。
その機会をたくさん作れるグラスにしたいんです!この図面で実際製作可能でしょうか?
- 田嶌
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そうですね。どれもシンプルな形なので製作は可能だと思います。ただ厚みや重さなどによって味わい方も変わるのでそのあたりはどうしますか?
- 長谷川
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3案それぞれ、薄いものとやや厚めのもの2パターンで 計6案つくっていただきたいと思っています。その中から、500種類以上の牛乳を飲んできた「ミルクマイスター®︎」である高砂さんがもっとも「おいしい!」と感じる1つに絞り、弊社の商品開発研究所に持ち込む予定です。
- 田嶌
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承知しました。それでは図面を元に金型を製作しますね。
1ヶ月くらいかかりますのでその頃にまた来てください。
- 高砂
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ありがとうございます!
前回以上に楽しみにしています、よろしくお願いします。
- 長谷川
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田嶌さん!江戸時代から続く伝統工芸の息吹を、この明治おいしい牛乳 専用グラスにも…!
よろしくお願いいたします!
- 田嶌
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もちろんです!任せてください。
窯よりも熱い男たちにより、 プロトタイプが完成!
(後日 田島硝子の工房にて)
- 田嶌
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金型が無事に完成しました。
これから早速吹いていきますので工房の方にどうぞ。
- 長谷川
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すごい熱気ですね!
窯から離れているのに熱が伝わってきます。
- 高砂
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ひとつひとつ手作りで、まさに命が吹き込まれているような感じですね。
- 田嶌
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窯の温度は約1,400℃あります。 窯の中には坩堝(るつぼ)が入っていて
中にガラスの材料となるタネが入っています。そのタネを鉄棹(てつざお)の先に
巻きとって、熟練の職人が型の中で、風船のようにふくらませて形をつくっていくんです。ガラスの厚みも感覚なので、とても高度な技術が必要です。
- 長谷川
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明治おいしい牛乳と同じで、たくさんの人の手がかかってるんですね……。
僕の胸の期待も今まさに、風船状のグラス同様、膨らんでおります…!
- 高砂
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長谷川さん、窯に負けじと熱いですね!
- 田嶌
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吹き上がったグラスは、急に冷やすと亀裂が入ったり割れたりするので、数時間かけてゆっくり冷やしていきます。
- 長谷川
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そんなに長い時間をかけて冷やしていくんですね!
- 田嶌
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はい。そしたら次に、口の部分を熱で溶かして切ったあと、しっかりと冷えたら口を丁寧に研磨して完成です。
完成までは時間がかかるので、プロトタイプができたら送りますね。
- 長谷川
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ありがとうございます!
(後日 ミルクマイスター®︎高砂の事務所にて)
- 長谷川
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プロトタイプが完成したそうですね!!
- 高砂
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はい。見てくださいこの美しさ。
明治おいしい牛乳の、明治おいしい牛乳による、明治おいしい牛乳のためのグラスですよ。早くこれで明治おいしい牛乳を飲みたいですね。
- 長谷川
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名演説ですね……。
そして、この6つの中からひとつに絞るのか…。悩ましい…!
- 高砂
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500種類以上の牛乳を飲んできた「ミルクマイスター®」︎の名にかけて、五感を研ぎ澄ませて絞りますよ!
- 長谷川
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どのグラスに決まるのか、楽しみに待っていますね!
まとめ&次回予告
江戸時代から受け継がれる伝統工芸により、命を吹き込まれた6つのプロトタイプが完成!
ミルクマイスター®︎高砂が選んだグラスは一体どのタイプなのか?
次回、最終チェックを受けるため長谷川と高砂は株式会社 明治の商品開発研究所へ訪れる。
果たして「明治おいしい牛乳のおいしさを最大限に引き出す専用グラス」のお墨付きはもらえるのか……!?